書籍:MPC IMPACT!
-テクノロジーから読み解くヒップホップ
自著『MPC IMPACT! - テクノロジーから読み解くヒップホップ』がリットーミュージック社から発売になりました。アメリカのイノベーションと日本の技術がどのように世界のヒップホップを支えたのか、ヒップホップ史を音楽テクノロジーから紐解いた本です。
この本ではヒップホップには欠かせないAKAI MPCを生産した赤井電機の元エンジニア、MPC を設計したサンプリング・ドラムマシンの父ロジャー・リン、サンプリング・ヒップホップの始祖マリー・マール、トライブコールドクエストと世界のヒップホップの音響の基礎を作り上げたボブ・パワー、90年代最高のプロデューサー・ピート・ロックなどの独占インタビューを元に書き上げたクリエイティブ・ノンフィクションです。ヒップホップの形成に貢献したレジェンドたちが、インタビューで協力してくれたこの世界で一冊しかないユニークな本になりました。
この本はNYのニュースクール大学メディア研究科の修士論文からスタートして約10年のリサーチの末に書き上げました。音楽好きな人、ヒップホップ好きな人、テクノロジーと文化の関係に興味がある人、メディア論・比較文化・カルチュアル・スタディーズに興味のある学生、ドキュメンタリーが好きな人、プロジェクトXが好きな人など幅広い人に読んでもらいたいです。
大学院では「テクノロジーがどのように社会や文化を形作るか」という技術決定論をテーマにスタートしました。ヒップホップは、ディスコ(ナチス統治下のフランス発祥)+レゲエ(ジャマイカの音楽カルチャー)がNYで融合してターンテーブル2台とマイク1本から1973年に産まれました。そして80年代に登場したデジタルサンプリングと共に発展しました。NYのカリブ系の移民、アフリカン・アメリカン、70年代の発明家のミュージシャンたち、そして高度成長期の日本のものづくりがどのように相互作用してヒップホップのテクノロジーを形作ったのかを、たくさんの魅力的な人たちのエピソードを全米を飛び回って取材して伝記のようにまとめあげました。
チャプター紹介
1章 ニューヨークとヒップホップ
2章 世界を変えた若きテクノロジーの革命家たち
3章 ディスコから産まれたヒップホップ
4章 ライブ・ショウからビートメイキングへ
5章 AKAI PROFESSIONAL設立
6章 AKAI MPCの登場
7章 MPCのもたらしたビート革命
8章 ヒップホップ 黄金期から社会現象へ
9章 受け継がれるMPCというコンセプト
今後の展開
現在日本語版しかありませんが、世界中から英語版の要望がソーシャルメディアを通じてあり、さっそく英訳を進行中です。また取材を全て映像で記録しているため、映像化も視野に入れています。その映像素材や、サンプラーを実際に使っての名曲制作再現など含めた、映像と音楽のレクチャーを随時行なっていきます。
プレス素材はここからダウンロードしてください。
ビハインド・ザ・シーン